長門湯本NEWS:ながトークvol.31レポート〜工夫舎・根来さんと語る「まちと余興」feat.根来正樹(工夫舎)〜

毎回、自分らしいスタイルで街を面白くする人々を迎え、その思いや活動に迫る「ながトーク」。第31回となる今回は、消防士としての勤務を経て国内外を旅し、飲食店の開業やコンサルティングなどを経験しながら、現在は宇部市で本と展示と喫茶を営む「工夫舎」を主宰する根来正樹さんをお迎えしました。会場には地域の方や学生、常連ゲストなど約20名が集まり、終始にぎやかな雰囲気に包まれました。
1995年生まれの根来さんは、地元・宇部市で消防士としてキャリアをスタート。その後、青年海外協力隊への挑戦、富士山の山小屋での勤務、東京でのモバイルハウス暮らし、カフェや飲食店経営、開業コンサルタントなど、多彩な経験を重ねてきました。
その歩みは一見バラバラに見えますが、根底には「おもしろそうなことには挑戦してみる」という一貫した姿勢があります。代官山での飲食店経営を経て「自分が心から向き合いたい場所で活動したい」と考えるようになり、地元・宇部へ帰郷。そして2023年、本と展示と喫茶を融合させた「工夫舎」を立ち上げました。
消防士時代に町をくまなく巡った経験は、現在の活動にも息づいていると根来さんは語ります。「町の景色を毎日見ていたからこそ、地元のことをよく知っていた」と。
本屋という営みは決して安定した事業ではありませんが、その不安定さがむしろ生きている実感につながるのだそうです。根来さんは「本屋は誰とも敵対しない。町の酸素のような存在でありたい」と印象的な言葉を残しました。
今回のながトークでは、多彩な経験を積み重ねてきた根来さんのキャリアが、実は好奇心を原動力に一本の線でつながっていることが印象的でした。工夫舎という場を通して、町と人とが自然につながっていく姿に、会場にいた私たちも未来への想像をふくらませる時間となりました。