長門湯本NEWS:ながトークvol.30レポート〜蒲田商店・土田由里さんと語る「長門湯本の旅と暮らし」

毎回、自分らしいスタイルでまちを面白くする人々をゲストに迎え、その生き方や思いを聞くトークイベント「ながトーク」。記念すべき第30回目となる今回は、今年11月に「蒲田商店 長門湯本店」のオープンを控える土田由里さんをお迎えし、2025年8月2日(土)、「まちの番台」にて開催されました。会場には子どもたちを含む20名以上が集まり、あたたかな雰囲気のなかで土田さんのこれまでの歩みと、長門湯本での新たな挑戦について語られました。
1987年、福岡生まれ。二児の母である土田さんは、大学で建築を学んだのち、インテリアショップやリフォーム会社、コワーキングスペースなど様々な職を経験。「やればやるほど、次にやりたいことが見えてくる」という好奇心と行動力のもと、2022年に姫路の荒物屋「蒲田商店」をまるごと引き継ぎ、三代目店主に就任しました。その翌年からは「旧市のきさき朝市」を企画・運営し、地域の日常に少しだけ特別な時間を生み出す朝市を定着させました(2024年に次の運営者へ引継ぎ済み)。そして2025年3月、12年間暮らした関西を離れ、子どもたちとともに長門湯本へ移住。「朝のあいさつが交わされる」「子どもをまちぐるみで見守る空気がある」——その空気に心惹かれ、迷いなくこの地を選んだといいます。現在は地域の支えを受けながら、11月の新店舗オープンに向けて準備を進める日々です。
土田さんが営む「蒲田商店」が大切にしているのは、「選ぶ理由がきちんとある」生活道具。見た目のおしゃれさや流行だけにとらわれず、「日常を少し楽にしてくれるもの」「暮らしがラクになる道具」を丁寧にセレクトしています。「丁寧な暮らし」という言葉の奥にある“実用性”こそが本質だと語る姿に、多くの参加者が深く頷いていました。そんな道具たちを直接手に取れるPOPUP出店が、8月2日〜11日まで「まちの番台」で開催中。道具の背景や使い方、作り手の思いまで、店主本人の声で聞きながら選べる貴重な機会です。ぜひこのタイミングにお立ち寄りください。
イベントの締めくくりには、土田さんが炊き上げた艶やかな土鍋ごはんと、檜の香りがふんわり立ち上る蒸篭ごはんがふるまわれました。参加者が持ち寄ったおかずと一緒に並んだごはんを囲みながら、会場には自然と笑顔と会話が広がり、子どもたちはその甘みを味わいながら何度もおかわりを重ねる姿も。土鍋ごはんとともに過ごすその時間は、「道具と暮らし」の関係を五感で感じられるような、穏やかで豊かなひとときとなりました。締めくくりに土田さんが口にした「ぜひ、お待ちしています」の一言が、まちと人、そしてこれから始まる日常の風景をやさしく結びました。土田さん、ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。
会場:まちの番台
開催日:8月2日(土)〜8月11日(月)※月・火曜休
時間:11:00〜17:00