かの「シベリア・シリーズ」の大作や、
廃材を利用し愛情で創られ、谷川俊太郎が詩をつけた作品もある「おもちゃ」
等、多くの作品を遺し
“戦後美術の巨人”と呼ばれた香月泰男画伯。
画伯は『ここが地球だ』と言い、ふるさとをこよなく愛しました。
創作活動のほとんどを長門市三隅の自宅で行っていました。
その画伯の功績をたたえる目的で、
1993年10月26日
生家に近い長門市三隅湯免に「香月美術館」が開館。
香月泰男美術館は
定期的に「○○展」という企画展を開催していますが
この度、今年の3月3日(月)まで、
企画展「楽園・タヒチ -モチーフにあふれた南の島-」が開催されています。
香月泰男画伯は、夫人を伴って、初めてタヒチを訪れた際、
「にわとりも、犬も、山羊も、野鳥も、みなしあわせに生きているように見える」
美しい花々に囲まれた家、辺りを散歩する鶏、畑を耕す牛、浜辺に打ち上げられた貝殻など、生きた自然がそこにあり、まさに「楽園」と呼ぶにふさわしい場所で、大変気に入り、
画伯や婦人の著作の中で何度も言及され、再度のタヒチ旅行からもそのことが伺えます。
これは、画伯の戦時中の抑留、強制労働の原体験と
夢に見たふるさとの古き良き田舎の原風景をタヒチに見いだしたが故なのかもしれません。
本展ではタヒチをモチーフとした素描、
初めて挑戦した木版画・自らが彫った版木、
そこから生み出された色彩豊かな版画からは、温もりのある、常夏のさわやかな夏の日差しが感じられます。
画伯の惹かれたタヒチの風景をお楽しみください。
詳しくはこちらななびさんのページをご覧ください。